2016年11月22日
お香典を包んだ不祝儀袋に名前を書くときには、薄墨を使います。なぜ薄墨を使うかと言うと、あまりの悲しみに涙がこぼれ、墨が薄くなってしまいましたという意味が込められているからです。この話はよく知られていますので、弔事の文字は薄墨で書くというイメージが付いてしまっているかもしれません。けれど、これがお布施袋となると、話は違ってきます。黒い墨を使うのが、正しいお布施袋の書き方だからです。
薄墨ではなく、普通の黒い墨で描ける筆ペンを使うのがいいでしょう。字の大きさなどに特別決まりごとはありませんが、お弔いをしてくれる僧侶へのお礼の気持ちで渡すものであることから、丁寧に書くことを心がける必要があります。見やすい文字で丁寧に書くということを覚えておけば、いざというときに慌てずに済みます。何かといろいろなことに追われるお葬式ですが、間違っても忙しさにかまけて、急いで文字を書くといったことだけは避けたいところです。
黒い墨を使った筆、もしくは筆ペンで丁寧に書くということが、シンプルでありながらも絶対に端折ってはならないお布施袋の書き方だと心得ておくと同時に、袋と一緒にペンも用意しておくと抜かりなく準備できます。